Out Of My Memory

雨垂れ石を穿つ

『財務3表一体理解法』を読んだ感想

なぜ読もうと思ったか。

簿記1級の勉強は試用販売やリース取引等、様々な取引の仕訳方法を理解して覚えるだけの単調な作業のため、やる気がなくなってしまった。(基本的な決算の流れは3級2級と何も変わらない)
やる気がなくなりネットをウロウロしていたら、「簿記を勉強しても会計は理解できない、会計を理解しないまま簿記を勉強する人が多い」的な記事を見て、そこで推奨している本に興味を示したため。

本で学べたこと

  1. 仕訳する際、繰越利益剰余金の増減についても頭に浮かぶようになった。
    本書では仕訳発生の都度、B/S、P/L、CSにどのような項目、数値が追加されるか解説している。 それにより、B/S貸方の純資産(繰越利益)を通じてB/S、P/Lが結合している事を脳みそへゴリゴリに植え付けてくれる。

    例えば従業員に給与を支払う仕訳は以下の通りだが、
給与(XXX)  現金(XXX)

給与(費用)が計上されると、それは当期純利益(繰越利益になるはずの金額)が減る。 つまりB/S貸方の繰越利益が減り、またB/S借方の現金が減るといったような解説をしている。 闇雲に借方(現金)が減ったから借方(費用)を増やして均衡させるといった解説アプローチを取っていない。

繰り返しになるが財務3表を仕訳都度更新するため、CSについての理解も深まり黒字倒産についても自信、具体例を持って説明できるようになった。

2. P/LやB/Sの改ざん方法が分かる。
財務表を弄る中小企業もあるらしいが、弄りの具体例が載っており興味深かった。(利益を多くみせたり、社長への給与を短期貸付金として資産を多く見せたり等)ITを勉強している時もそうだが、知識の悪用方法?を学ぶことは面白いと感じる。(自分ではやらない。)

3. 売上原価対立法や、棚卸で繰越資産を計上する意味を理解できた。
「売上原価対立法なら期末に振替仕訳しなくていいやん!」程度にしか理解していなかったが、より深く理解できるようになった。

感想

仕訳に関してなぜなぜ思考を持って勉強をしてこなかった事もあり、読んでよかったと感じた。 闇雲に暗記していたわけでは無かったが、それでもまだまだだった。

簿記2級を勉強した目的は「投資をするため決算書を読めるようにしたいな」と「履歴書のアプデ」だった。 ただ、ここまでやったら1級も取るか的なノリで勉強していたものの、それだけでは勉強に取り組めなかった。 本書を読んで会計に対する理解が深まったため、簿記・会計知っているアピールも兼ねて簿記1級は取りに行きたいと思う。

「会計のことが面白いほどわかる本」も熟読しているため終わり次第、感想記録と簿記1級の勉強を再開したい。